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Michigan Journal 2023

2023年12月30日

「学校が宿題を極力出さなくなる(レスホームワーク)時代にどう立ち向かうのか」

~来年以降の学力格差が大きく開く懸念に備えて~

 

2023年いろんな事がありましたが、無事終わりそうです。さて、年末を迎え当スクールの授業も冬期講習3日目の12月30日をもって仕事納めとなりました。生徒の皆さん本当に最後まで頑張ってくれました。さて、こうして今年一年を振り返ると、前から気になっていた事ですが、中学校を中心に全体の学力が地盤沈下を起こしているのではという懸念が表面化しつつあるように思えます。

こちらは、私が担当している地元T中学校2年の生徒さんの国語のテストです。過去最低の点数を取り、本人はもちろんのこと、ご家族も大きなショックを受け、私に相談して来られました。確かに国語という科目は主要5科目の中では勉強しても点数効果が見えにくい科目かと思います。私が気になったのは漢字です。本人も交えてわかったことは、彼の学校では国語の先生が漢字の宿題を定期的に一切出してない(もちろん他の宿題も)という衝撃の情報です。私も小中学校時代を振り返ると漢字練習という宿題は定番の宿題で、今でも普通に出しているモノと思っていました。要はやるやらないは本人次第という姿勢なのでしょう。では、生徒任せで放っておいたらどうなるか?今回の結果が物語っています。

 

でも、恐らくこのT中学校はたまたま国語の先生がそういう方針かと聞いたら、他科目もそんなノーホームワーク主義のようで二度衝撃を受けました。更に、それでも、これはT中学校だけの話かと思っていました。ここ1、2年、ウチの塾生でも宿題のこなしが悪い生徒がいて、ある日、これまた地元のM中学校の生徒(彼女はしっかり宿題をこなす高得点をキープする生徒さんです)に宿題の実態を聞き三度目の衝撃を受けました。M中学校でもまともに宿題を出すのは主要5科目でも英語だけ。その英語の宿題もやってくるのは彼女と数人だけとか。やって来なかった生徒さんに特別厳しい対応が取られるわけでもないようです。計算問題などの宿題が出る定番の数学も宿題は基本的にないという実態。

漢字にしても、英単語にしても計算練習にしても宿題というものは、面倒で苦痛、普通、余程モチベーションが高い生徒を除けば、まず好んでやる生徒はいないと思います。そんな面倒なものがなければ、そうでなくても、スマホゲーム、You Tube、友達とのSNS交流、一昔前に比べ、周りには勉強から遠ざける楽しいものが溢れています。宿題もない状態でいつ勉強をするのでしょう?

そもそも学生時代というのは、宿題や、理解度を測るテストがあるから「仕方なく」こなし学んでいくものです。「詰め込み教育」を批判する方もいますが、ある時期、最低限の基礎知識を吸収する期間というのは絶対に必要です。今、ウチの塾生でも宿題を「きちんとこなす組」と「いい加減なこなしをする組」では、宿題のこなし度と成績との間に明らかな相関関係が見られます!今、学校現場で、その兆候が現れている状態といえます。繰り返すようですが、要は成績を上げるも上げないも「完全自己責任時代」に突入していると言えます。

先日、ウチに来ている生徒さんの親御さんから、ある飯田市の中学校3年の実力テストの得点分布図を見せていただきました。見て驚いたのは、中間の50〜70点スコア群が少なく、高得点スコア群と20点以下のスコア群に一定の数が集中しているはっきりした学力格差の構図。都会で見られるだけと思われた、この傾向が、この下伊那地域でも起きています。そして、この流れは、この中学校だけでなく、他の学校でも波及するものと予想されます。

当スクールでは宿題は当たり前の話しですが、英語にしてもキッズ英語から大学受験英語まで毎回一定数出します。公立の学校現場で宿題を出さなくなっている今、塾で宿題を出し、それを自分なりにこなしてくる「当たり前」の習慣が、これまで以上に大きな重みを持つ大事な大変な時代になったと言えましょう。

 

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