Michigan Journal 2021
2021年08月08日
~「Pay The Price」楽しい祭りは後が怖い~
暑い毎日ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?夏休み楽しんでますでしょうか? さて、テレビで毎日放映されているオリンピックの競技を楽しんでいる方に水を差すようで申しわけございませんが、今回のオリンピック強行は無理すぎたと思います。英語で「pay the price」という表現をご存知でしょうか?主にネガティブ状況で使う言葉ですが、「自ら行った事に対しての代償を払う」という意味です。
「お祭り」というのは、準備・構想の段階はワクワク、そして実際の開催となると主催者だけでなく参加者もそれに陶酔します。文字通りお酒に酔ったような状態です。多少、無茶な事もできてしまうのも祭りのパワーです。
私は高校3年の時に学校の学園祭のために勉強と生活の全てを捨てて全てを文化祭に費やした経験があります。準備などでほぼ毎日の睡眠時間は3〜4時間。朝は一番早い電車で学校に行き、帰りは8時頃の電車で家に帰りました。勉強などしませんでした。授業は寝ているだけ。塾もサボって、文化祭に全てを捧げて燃やし尽くすような3日間を終えました。今思うとクレイジーな数ヶ月でした。そして、文化祭後の期末テストで地獄を見ました。当時、理系コースにいた私は10段階評定で「化学」2、「生物」に至っては1!つまり赤点!得意な英語でさえ6!という壊滅的な成績。生物の先生には研究室に呼ばれ「君は大学に行くつもりか?こんな成績で入れる学校はないぞ!」と厳しい叱責を受けました。私はこの時、祭りの冷めた後の恐怖を体験しました。文化祭がどれだけ盛り上がろうが、女の子に少しモテようが、自分が目立とうが、目の前の現実には何の助けにもならない。誰も助けてくれない。2学期は相当大変でしたが、目の色を変えて死に物狂いの勉強したのはいうまでもありません。
日本国民の多数、海外メディアのほぼ全部、そして天皇陛下まで開催を懸念される中、オリンピックは予定どおり開催されました。連日、マスメディアは選手の活躍を大々的に取り上げ、また一部の人は「感動をありがとう!」「選手と一体化できた!」「勇気をもらえた!」「金メダルラッシュ!」と例のよって陶酔報道しています。ところが、ご存知のように今回はコロナの緊急事態宣言の中、開催。予想通りというより、海外からの何万人の選手関係者が来日、想像以上のコロナ変異種の感染が広がっています。しかも、無観客で開催のため、チケット収益90億円は消えました。そして、この大会のために作った国立競技場には1560億円の費用を投じたと言われます。
その他、関係者用の弁当が大量に破棄、その他、運営費でも様々な疑惑や問題点がすでに出て、大会後も明らかになるでしょう。
そして、ほほぼ確実と言われる巨額のオリンピック負債を、まさしくpay the priceさせられるわけです。関係者や「感動をありがとう!」と言った人たちは「感動もらえたんだし、そんなの払うよ!」喜んで払っていただけると思いますが、最後まで慎重な姿勢や反対を貫いた人たちまで、そのツケ(この場合、ツケは金銭的なモノだけとも限りません。)が回ってくるとしたら、こんな理不尽なことはありません。ただ、世の中、そういう理不尽な事が多すぎます。
生徒の皆さんに置かれましても、お祭り気分や夏休み気分に浮かれて盛り上がって、勉強をおろそかにして成績が下がっても自分の責任になるのです。世の中やメディアの作り出す空気に流されず、常に自分の目標を忘れず、自分のペースで学習を進めましょう!