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Michigan Journal

2022年05月13日

       ~世の中の多数派を疑う~
       「デジタル授業は本当に効果的なのか?」
 新学期を迎え皆様いかがお過ごしでしょうか?連休も終わり慣れない学校や職場の生活もかなり慣れてきた頃かと思います。さて、突然ですが、アメリカの大作家、あの「トム・ソーヤの冒険」の作者であるマーク・トウェインの名言の一つを紹介します。
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「多数派は常に間違っている」かなり大胆な名言と思われますが、私はいつも世の風潮を見る限り、これは的を得ている名言だと感じてきました。日本人は「空気を読む」のが好きというか、やたら敏感な国民です。ちなみに「空気を読む」というのは英語に訳すのが難しい。「Read the air.」と外国人に言ってもキョトンとされるだけです(苦笑)本人は納得いかなくても「場の空気」に従う事を優先する人が多いと思います。この2年以上のコロナ騒動でそれが顕著になりました。「一人でも感染してはいけない」とばかり常にマスク着用、三密を避ける、緊急事態宣言となれば従って外出をしないをきっちり守ってきました。その結果、どうなったかと言えば、「経済が止まって生活に苦しむ人が増えた」だけで、感染者は外国に比べれば非常に少なく、感染状況自体は何も変わらず収束もせず(大体、風邪もインフルエンザも抑え込みなど不可能なのですが)、ひたすら「第*波」と言われて同じ事を繰り返してきただけです。海外では、政府の「ロックダウン」などの政策に大規模なデモが起きているのとは全く対照的です。それでも理論より世間の「なんとなく」の「空気」が優先されてしまうのです。
 今、公立の学校を含め、教育現場では、授業のデジタル化が進んでいます。コロナ騒動とほぼ同時期に始まったプロジェクトなので、ZOOMを使っての遠隔授業と一緒に意外と緊急性を持ってスムーズに進みました。今、タブレット端末があれば英語の教科書ではQRコードの読み取りをすれば和訳はもちろん、ネイティヴの発音も聞き取れ、デジタル環境があればどこでも学習が可能です。学校でも先生が黒板に書くよりコンピューターのスクリーンを見て授業を進めるのが主体になっているようです。私は当初からこのデジタル式アプローチに疑問を持っていました。「イメージ先行」の感がしたのです。これだと極端な話し、先生は不要でNTTの出向社員の方が指導すればいいわけです。ほとんどTVを見ている感覚ですから、一時的なエンターテインメントになり学力低下につながるのではと懸念していました。
 実は、ここ数年、生徒の学校の授業後の「生煮え」理解が起きているのを、塾の授業で肌で感じ、これはひょっとしたらデジタル化授業の弊害が出ているのではと感じていました。実際、中学生の学力も全体的に低下しているのでは?今年の高校入試でも地元の進学校に入試5教科テストの合計点が300点に満たない受験生も合格しています。ただ、このタブレット授業の浸透と学力の関係を客観的に出したデータがない。
と思ったら、最近、購入のジャーナリスト堤未果さんの著書「デジタルファシズム」(NHK出版)の中にありました(かなり売れている本で書店でも比較的簡単に見つかると思います)。
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東京大学とNTTデータマネイジメント、日本能率協会が合同で行った18〜29歳の48人に行った手帳、タブレット、スマホの3グループに分けて行った比較調査によると、スケジュール書き込み作業を行った後にMRIで脳活動を測定。結果は、脳活動の活発さ、記憶力の優位さのいずれも手帳グループの人々がスマホ・タブレットグループより上回ったという結果が出ています。調査に関わった東京大学の酒井邦嘉教授は「紙の本とノートを使うことは時代遅れどころか最先端だ」とまで言い切っています。
 
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 このように世の風潮が「これが多数派だ」と思っていたものが実は逆であることは存在するわけです。私はデジタル機器は否定もしませんし、活用すべきだと思っています。しかし、普段の英語学習においては、デジタルは補助教材、従来のアナログ的学習こそが主体、大事なところにマーカーで線を引き、声に出して読む、大事な単語は紙に何度も書いて覚えるという作業をおろそかにしてはいけないと思います。

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